📚 おすすめ本のご紹介

熟柿

じゅくし
佐藤 正午 著
🏆 2026年本屋大賞 第2位 第20回 中央公論文芸賞 受賞 「本の雑誌」2025年度上半期ベスト10 第1位
熟れた柿が、ひとりでに枝を離れる日を待つように。
一夜の過ちを抱えたまま生きる女の、長い長い「待つ」時間の物語。
作品紹介

伯母の葬儀の帰り、激しい雨の降る夜。酔って眠り込んだ夫を乗せて車を走らせていたかおりは、とっさに現れた老婆を撥ねてしまう。恐怖のあまりその場を立ち去った彼女は、轢き逃げの罪に問われ服役することになり、獄中で息子・拓を出産する。

出所後、離婚を告げられ親権も失ったかおりは、それでも息子に会いたい一心で行動を起こし、そのたびに事態をこじらせてしまう。息子との接見を禁じられた彼女は、身分を偽りながら西へ西へと各地を転々とし、誰にも打ち明けられない過去を抱えたまま、ただ黙々と生きていく。

直木賞作家・佐藤正午が9年の歳月をかけて書き上げた長編小説。派手な事件や仕掛けはなく、ひとりの女性の人生を淡々と、しかし丁寧にすくい取っていく筆致が特徴で、読み進めるほどに胸に迫るものがあると評判を呼びました。タイトルの「熟柿」とは、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つことを意味する言葉。かおりの生き方とこの言葉がどう重なっていくのかは、ぜひ本編でじっくりと確かめてみてください。

「熟柿」とは? 熟した柿の実が自然に木から落ちるのを待つように、焦らず気長に時機が来るのを待つことを意味する言葉(三省堂『大辞林』より)。
読者レビュー
高評価
心の機微の描写に引き込まれ、一気に読破しました。読み終えたあと、涙が止まらなくなる本に初めて出会いました。人生で最高峰、至高の一冊です。
出典:楽天ブックス レビュー(2025年9月投稿・要約)
高評価
上手すぎる文章、突き刺さるセリフ、染みわたる感情表現。プロの小説家の仕事だと思いました。主人公かおりは要領が悪くて隙が多く、良い人に手を差し伸べられてもうまく甘えられない。そんな不器用な人が母親になってから背負う人生を、淡々とした筆致で丸ごと描き切っていて圧倒されました。
出典:ブクログ掲載レビュー(要約)
高評価
ゆっくり、深く心を抉られる小説でした。読み終えたあとしばらく気持ちが沈んでしまうほど。それでも「熟柿」という言葉が心に残って、頭の片隅にずっと置いておきたいと思いました。本屋大賞2位も納得の読み応えです。
出典:ブックライブ 電子書籍ストア掲載レビュー(要約)
中評価
2026年本屋大賞2位の作品ということで読んでみましたが、うーん、なんだか私にはあまり合わなかったな。読み終えたあとも、なんだかもやもやとした気持ちが残る作品でした。
出典:ブクログ掲載レビュー(要約)
低評価
なかなか重い内容でした。一人称語りも移入できるかできないかで評価が二分されるかなと思います。評判が良いだけに楽しみに読みましたが、正直、自分には合わなかったです。
出典:楽天ブックス レビュー(要約)
著者プロフィール
佐藤 正午
さとう しょうご
1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。本名・佐藤謙隆。長崎県立佐世保北高等学校卒業後、北海道大学文学部国文科に進学するも中退。在学中、同郷の作家・野呂邦暢の作品に感銘を受け、ファンレターをきっかけに小説を書き始めたと伝えられています。大学中退後は郷里の佐世保に戻り、1983年、2年がかりで書き上げた『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞してデビュー。以来、故郷の佐世保に暮らしながら執筆活動を続けています。
  • 1983年 第7回すばる文学賞『永遠の1/2』
  • 2015年 第4回山田風太郎賞『鳩の撃退法』
  • 2017年 第157回直木三十五賞『月の満ち欠け』
  • 2025年 第20回中央公論文芸賞『熟柿』
代表作に『Y』『ジャンプ』『5』『アンダーリポート』『身の上話』『ダンスホール』『冬に子供が生まれる』などがあり、平凡な人生に潜む思いがけない因果や後悔を静かに描く作風で知られています。
書誌情報
著者佐藤 正午
出版社KADOKAWA
発売日2025年3月27日
判型四六変形判 368ページ
ISBN978-4-04-114659-0
定価2,035円(本体1,850円+税)
初出「小説 野性時代」誌上に2016年から2024年にかけて断続的に連載
受賞・評価2026年本屋大賞 第2位
第20回中央公論文芸賞 受賞
「本の雑誌」2025年度上半期ベスト10 第1位
累計部数12万部超(2026年本屋大賞ノミネート発表時点)
こんな人におすすめ
🕊️
罪や後悔とどう向き合うかを考えたい人
一度の過ちを抱えたまま生き続けるとはどういうことか、静かに、しかし深く問いかけてくる一冊です。
👩‍👦
母と子の絆に心を動かされたい人
離れ離れになった息子への想いを胸に生き続ける母親の姿が、読む人それぞれの家族への思いを重ねさせます。
🍂
じっくりと腰を据えて読む長編小説を探している人
派手な展開ではなく、一人の人生を長い時間軸で丁寧に描いた作品を味わいたい方にぴったりの一冊です。
【参照元・出典について】
本ページの情報は以下の公開情報をもとに作成しています。
書誌情報・あらすじ:KADOKAWA公式サイト/カドブン/楽天ブックス/Wikipedia「熟柿」
著者プロフィール・受賞歴:Wikipedia「佐藤正午」/みすず書房 著者紹介/長崎新聞/直木賞のすべて
読者レビュー:楽天ブックス掲載レビュー/ブクログ掲載レビュー/ブックライブ 電子書籍ストア掲載レビュー
※レビューはすべて公開されている実在の感想をもとに要約・構成したものです。架空の内容は含みません。物語の核心的な展開・結末には触れていません。